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秋茄子を嫁に食わすかどうかはさておき、ナス科植物が与えた世界への影響がハンパない!

こんにちは!Junです。
衝撃!これ知ってました!?
トマト、ジャガイモ、ピーマン、トウガラシ、マンドレイク、タバコ…
挙げればきりがないですが、すべてナス科の植物なんです。
今日は食料として薬として毒として世界に大きく影響を与えた
ナス科植物について調べてみました!

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食料代表:ナス

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秋茄子は嫁に食わすな!?

ナスはナス科ナス属の果実でインドが原産地です。
日本では奈良時代にすでに栽培され1000年以上にわたって親しまれています。
夏に実がなるから「夏実(なつみ)」、夏実が訛って「奈須比(なすび)」、
実の味から「中酸味(なかすみ)」など語源は色々です。
東日本はナス、西日本はナスビと呼んでいるようですが、どっちも使います!笑

 

中国では茄子や茄の字が使われていて、
写真を撮る時の掛け声(ハイチーズ!)が、
「一,二,三,茄子! (yī,èr,sān,qié zi!) 」らしいです。
今でもこれ使っているのかなー?
ぜひ中国人の友達がいたら聞いてみてください!

 

ナスの成分の93%は水分と糖質で、
栄養価やカロリーの面では高くないですね。
夏野菜なので体を冷やす作用があります!

 

さて「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉ですが、
嫁いびり説嫁気遣い説があるようでして、

秋茄子は嫁に食わすなとは、おいしい秋のなすは、もったいないから嫁には食べさせるなという姑の嫁いびりの言葉。
また、反対に、なすは体を冷やす、あるいは種が少ないので子供ができないといけないから、嫁には食べさせるなという嫁を大切に思う言葉。(太字は引用者)
故事ことわざ辞典

気遣い説に一票入れときます!笑

牛に変身

お盆になると地方によっては、ナスは牛に変身します。

 

マッチ棒や短く切った割り箸を足に見立て、
きゅうりを精霊馬ナスを精霊牛として
ご先祖様がこの世とあの世を行き来する乗り物を作ります。

 

きゅうりは足の速い馬であり、
あの世から早く家に戻ってこれるように。

 

ナスは歩くのが遅い牛として、
この世から帰るのを少しでもゆっくりになるように、
お供え物を乗せて持ち帰ってもらうという願いが込められています。

香辛料代表:トウガラシ

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マルコと秀吉とキムチとカレー

トウガラシはナス科トウガラシ属の果実で、
メキシコもしくは南米のボリビアが原産地といわれています。
ボリビアはウユニ塩湖で有名な場所ですよね!

 

ピーマンやパプリカ、シシトウも同じナス科トウガラシ属で、
植物学的には同一のもののようです。
辛味成分があるかないかで区別しているとのこと!
たまにめっちゃ辛いシシトウありますよねー笑

 

ヨーロッパに日本のことを「黄金のジパング」と紹介したことで有名な
東方見聞録は、マルコ・ポーロの26年間にわたる旅行記ですが、
彼の旅の目的の一つが香辛料を手に入れることだったようです。

 

トウガラシは唐辛子と書くのですが、中国の唐から伝わったわけではなく、
あくまで唐=外国という意味です。

 

日本には、種子島に鉄砲が伝わったのと同じ時期に、
ポルトガルの宣教師が大友義鎮に献上したのが最初といわれています。
当時は食用ではなく、観賞用毒薬、足袋のつま先に入れて霜焼け予防として
使われたようです。

 

韓国といえばキムチ!ですが、
キムチにトウガラシが使われるようになったのは17世紀後半になってからで、
それまでは野菜の塩漬けだったようです!

 

朝鮮半島にトウガラシが伝わった時期は、
豊臣秀吉の朝鮮出兵の時だと推定されています。
目潰しや毒薬などの武器や兵士の凍傷予防に使われていました。

 

そしてインドといえばカレー!ですが、
辛味に欠かせないトウガラシが伝わったのは16世紀頃でした。
なので、それまでの辛味担当は胡椒だったようです!

 

韓国にもインドにもトウガラシが伝わって本当に良かった!笑

万能プレーヤー

現在は辛味成分を生かして一味や七味、豆板醤、ラー油、チリソースなどの
食用として使われるのはもちろん、防虫抗菌厄よけ、室内の装飾にも使われます。

 

トウガラシは蕃椒(ばんしょう)という生薬としても用いられます。 

果実には辛味成分のカプサイシンなどが含まれ、皮膚刺激作用健胃作用が認められている。またカプサイシンは、交感神経を刺激し、発汗作用や熱産生作用があり、脂肪燃焼を促進させることから、ダイエット素材としても注目されている。 近年、同様の効能を有するカプシエイトを含むトウガラシの品種改良も行われている。また、カロテノイドとして赤色色素成分のカプサンチンのほか、クリプトキサンチン、β-カロテン、ルテインなどが含まれている。中国医学では辛熱の温裏薬と分類され、健胃薬として食欲不振、消化不良に用いている。 ただし、トウガラシは漢方薬ではなく、オランダ医学の流れをひいた薬草である。家庭薬は外用薬や温湿布として神経痛、筋肉痛や凍瘡などに対して用いられている。また発毛刺激剤としても古くから利用されている。 民間療法ではトウガラシを腹でも頭でも痛む部位に貼り付ける。そのほか蚊を忌避させる作用があり、常食していると蚊に刺されないといわれる。ただし、皮膚刺激作用によりただれなどの皮膚炎を起こしやすく、また多量の摂取は胃腸の炎症や痔を悪化させる。(太字は引用者)

唐辛子 - 漢方生薬辞典

辛味は味覚の一つですが、
基本となる苦味、酸味、甘味、塩味、旨味の五味には入らず、
神経刺激としての痛覚に入るようです。
辛いのが好きな人はドMということですね!笑

 

トウガラシをたくさん食べる韓国やインドでは
胃癌の発生率が高く、トウガラシの過剰摂取との関連性が指摘されています。
ぜひほどほどに食べてくださいね!

薬代表:マンドレイク

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魔女と伝説

マンドレイク(マンドラゴラ)はナス科マンドラゴラ属の植物で、
地中海沿岸に分布しています。
根茎がいくつも分かれているので人型のように見えるものもあります。
悪霊の宿るリンゴ」と呼ばれることも!

 

伝承や伝説にもなっているこの植物は、
ヨーロッパで妖しげな活性のあるものとして考えられており、
魔女との関連が語られています。

 

魔女について、

中世~近世までのヨーロッパでは、人間が悪魔と契約を交わし、魔法や魔薬を用いて人々に様々な害悪、病気、死をもたらすことがあると考えられていた。この「悪魔と契約を交わし、人に厄災を与える存在」が魔女である。この伝承は近世まで欧州では広く信じられていたため、多くの人々が魔女の疑いをかけられ、「魔女裁判」にかけられ迫害されたり処刑されたりした。現代では女性の印象が強いが、中~近世のヨーロッパでは男性も魔女の疑いをかけられたようである。日本語で魔女と言っているからおかしな印象を受けるが、当時の西洋では"witch"を女性と限定しない、あるいは男性のそれには専用の呼び方が用いられていたと思われる。(太字は引用者)
ニコニコ大百科

魔法薬や錬金術、呪術に使われる材料とされており、
精力剤や不老不死の薬に使われたことからこんな伝説が生まれたんでしょうね!

 

もう一つ有名な伝説は、
この植物は引き抜かれると金切り声をあげ、
その声を聞いた者は死んでしまうというもの。

 

この由来は、根がとても多くて細かいので、
強引に抜くにはものすごい力が必要なようで、
根をちぎりながら抜くとブチブチと大きな音がすることからだといわれています。

妖しげな活性

妖しいとされたのは、根に含まれる数種類のアルカロイドが、
麻薬効果鎮痛鎮静幻覚幻聴瞳孔拡大など様々な作用を示し、
その毒性の強さから死に至ることがあったためです。

アルカロイドの一つにアトロピンがあります。
このアトロピン、同じナス科のベラドンナハシリドコロという
植物にも含まれていまして、

 

ベラドンナはイタリア語で「美しい女性」を意味します。
イタリアのヴェネツィアなどで貴婦人たちがこの植物の葉の汁を点眼して、
目を大きく美しく見せるために化粧用に使ったことに由来します。

 

また、ハシリドコロは日本にも分布する植物で、
その和名は口にしたものが野山を走り回ることに由来しています。

 

毒性が強いのでマンドレイクもベラドンナもハシリドコロも
現在は使われていませんが、成分としてのアトロピンは、
医薬品(硫酸アトロピン)として緑内障眼科診断などに用いられていますよ!

嗜好品代表:タバコ

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コロンブスが出会った

タバコはナス科タバコ属の植物で、亜熱帯地域に分布します。

 

「黄金のジパング」(本日2回目登場!)を目指したコロンブスは、
1492年西インド諸島の一つの島に到着しました。

 

そこでコロンブスは目撃しました!
原住民たちが、見たこともない植物の葉を乾燥させ巻いて吸っているのを!

 

友好の印として原住民にガラス玉と鏡を贈ると、
お返しに珍しい果物と先ほどの「香り高い乾燥した葉」を受け取りました。
これをきっかけに16世紀にはタバコ栽培がヨーロッパやアフリカ、アジアに
まで広がったとされています。

 

日本にタバコが伝わったのは、江戸時代中期で、
ポルトガルスペインの貿易船によるものとされています。

 

英語ではタバコをtobaccoと表記するのに対し、
ポルトガル語やスペイン語ではtabakoと表記します。
なので日本には音として近いタバコとして伝わったんですね!

 

今は公共の施設や交通機関など多くのところが禁煙になっていますが、
江戸時代ですでに禁煙令が発せられていました。
当時はからだへの害よりも火災の原因を恐れたようです。

 

現在でもタバコ火災は注意されています。
寝タバコはなくなってきているようですが、
ゴミや布団などに落ちた火種の着火がまだ起こっています。

 

これから寒くなって空気が乾燥してくるのでますます注意が必要ですね!

ニコチン注意報!

中世ヨーロッパでは、頭痛や歯痛、疫病に効果があると信じられていましたが、
現在は嗜好品のみで用いられています。

 

タバコに含まれる代表成分ニコチンは、
人においては体重1kgあたり1〜4mgで中毒症状を示し、
強直性のけいれんを起こし、呼吸停止と心臓麻痺によって死亡します。

 

紙巻きタバコ1本には約16〜24mgのニコチンが含まれているので、
小児ではタバコ約1本成人でも約2〜4本で命が危ないとされます!

 

子どもの誤飲事故で最も多いのがタバコの誤飲だといわれています。
万が一誤飲してしまったら、水や牛乳は絶対に与えてはダメです!
ニコチンは水によく溶けるのでタバコからニコチンが溶け出してしまいます。
できるだけ吐かせてすぐに病院を受診しましょう!

 

歴史上、もともとは毒とみなされていたものが食料や薬として
賞用される例は多いのですが、タバコはその逆なので珍しい例の一つです。

 

以上、ナス科植物について様々な角度から調べてみました!
わかりにくいことや聞いてみたいことなどあればお気軽にご連絡ください。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!