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健康に効果ある?ない?専門家や教授の意見って信頼できる情報なの?

こんにちは!Junです。
テレビ、ネット、週刊誌、新聞…色んなところから情報が手に入りますが、逆に情報が多すぎて何が正しいのかわからなくなることもあります。特に健康に関わる情報は、ある時は効果ありとされていたものが、ある時は有害だと騒がれたりします。信頼できる情報とは一体なんなのでしょうか?
今日は情報に振り回されないために知っておきたいエビデンスについてお話しします!

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エビデンスとは?

エビデンスとは、ある情報の科学的根拠のことで、特に医療関連に使われる言葉です。様々な研究や実験の結果をもとにしてエビデンスがつくられます。

 

例えば、病気で新しい薬を試す際に、これ効くらしいよ!だけでは医者も患者も不安ばかりで使いたいと思いません。

 

そこでその薬についてのデータを確認します。実際に研究段階でヒトに使用した情報をもとに、効果の面でこんな有効データが出ている、他にはこういうデータがあるので副作用はどんなものが起こりえるのか、それは何%ぐらいなのかなどを調べるんですね!

 

こういった情報確認に必要なのがエビデンスです。つまり、情報の正しさの裏付けということですね!

 

(※薬の場合は、実際に医療機関で使用されるまでに膨大なデータを集め検証され、厚生労働相に承認されたものしか使われません。)

 

エビデンスを出す研究方法はいくつかあり、方法によってランク付けされています。これをエビデンスレベルといい、どれだけ信頼できるかを表しているんですね!

 

何を基準にランク付けしているかというと、研究結果がどれだけ偏りのないデータかが重要になってきます。この偏りのことをバイアスといいます。

 

科学者も人間です。研究するものが人間である以上、バイアスを完全にゼロにすることは難しいんですね。つまり、このバイアスをできるだけ減らしたデータはエビデンスレベルが高い、信頼度が高いということになります。

 

ではバイアスについて詳しくみていきましょう!

どうしても生じてしまうバイアス

具体的にはどんなバイアスがあるのでしょうか。

 

例えば、スポーツジムに通う人を対象にした健康調査があったとすると、そもそもスポーツジムに通う時点である程度健康意識が高い人たちを対象にしたデータが集まるというバイアスが生じています。

 

他の例として、運動と癌の発症について、よく運動をするグループと運動をしないグループに分けて調査をしたとします。運動をしないグループの方が癌の発症率が高かった、つまり運動不足=癌の発症率上昇という結果が出ました。

 

しかし、よく調べてみると運動をするグループは禁煙者、運動をしないグループは全員喫煙者という事実が発覚しました。

 

こうなると運動と癌の発症についての調査ですが、喫煙してるかどうかも結果に影響を与えることになります。

 

ここでの喫煙のように、結果に影響を与えてしまう隠れた事実のことを交絡バイアスといいます。

 

他にも、心理、思考、行動、社会、環境など様々な要因のバイアスがあります。何かの研究や調査を行うには、こういったバイアスをできるだけ排除していき、結果ができるだけ一般的信頼度が高くなる方法が求められるんですね!

専門家の意見って実際どうなの?

エビデンスレベルとは、情報の信頼度をランク付けして分類したものでしたね!

 

まず前提として知っておくべきことは、エビデンスレベルはヒトを対象とした研究のみ該当します。なので、動物実験や細胞実験はランク外という位置付けになります。これめちゃ大切です!

 

例えば、ある食材の健康効果についてヒトで研究したデータが出ている場合、専門家が「これはマウスを使った実験でこんなに悪いデータが出ている!」と反論しても、エビデンス的には不十分であると考えられます。

 

では!まずエビデンスレベルのランキングをざっと並べますね!

  1. ランダム化比較試験
  2. コホート研究
  3. 症例対照研究
  4. 症例報告
  5. 専門家個人の意見、専門家委員会報告

さらに詳しく分類することもできますがまずはこんなもんで!
ランクの低い(信頼度が低い)方から順に説明していきます!

 

第5位、専門家個人の意見

大学病院の教授や、学会の評議員に当たる人物が、主観的に述べた意見を指します。

 

権威を持った人物の意見なので、説得力がある反面、あくまで主観的な意見なので、その人物の利害関係や気分によって変わることもあります。

 

これは個人的に思うことですが、利害関係って割と影響してそうですよねー笑
池井戸潤さんの本にもよくあるし…笑

 

こういった人たちの意見はメディアにも取り上げられやすいので何を元に発言しているのかに着目することが大切です。ただ単に動物実験での結果を述べているのか、経験談を述べているのか、それとも後に出てくるようなエビデンスランクの高い研究結果を元に意見しているのかということですね!

 

第4位、症例報告

患者の実例を報告したものを指します。

 

実際に客観的なデータが存在するため、専門家の意見よりは高いランク付けになりますが、その患者の背景が特殊だと結果も変わってきます。

 

例えば、毎日10箱以上タバコを吸う人、毎日アイスクリームを1kg食べる人、毎日20km以上走るランナー、など生活面や持病、使用していた薬やサプリメントなど、背景によって、別の人でも同じ結果が得られるとは限らないということですね!

 

第3位、症例対照研究

過去に遡って要因を探る方法を指します。

 

血圧と喫煙の関係を研究するとします。例えば、同じ血圧の薬を飲んでいたにも関わらず、血圧が下がった人と下がらなかった人がいました。

 

なぜ下がり具合に差が出たのか、その要因を調べた結果、血圧がうまく下がった人の中には過去に禁煙できている人が多かった。逆に効果がなかった人の中には喫煙している人が多かったというようなデータが得られます。

 

この方法では、「禁煙」していれば「血圧」が下がったというだけでなく、「喫煙」していたら「血圧」が下がらなかった、という比較対照があるため、症例報告よりランクが上になります。要因を過去に遡って調べなくてはいけないので、情報が不正確になりがちなリスクもあります。

 

第2位、コホート研究

コホートというのは、古代ローマ軍の一連隊をさす言葉で集団を意味します。ある集団を一定期間追跡し、その人々の健康状態と生活習慣や環境の状態など様々な要因との関係を調査する研究を指します。これは未来に向かって行う研究です。

 

例えば、高血圧かつ喫煙している人たちについて、追跡調査します。一定期間経った後、禁煙した人と喫煙継続した人がいた場合、血圧に変化があったかどうかを調べます。この方法は、調査開始時は結果が未知なのでバイアスが生じにくいことがメリットです。

 

しかし、禁煙した人が血圧が下がっていたとしても、そもそも自発的に禁煙した人は、他にも運動や食事に気をつけたりと、健康意識が高い生活を送る可能性が非常に高いと言えるので、交絡バイアスが排除できないんですね!

 

第1位、ランダム化比較試験

ある集団をランダムに治療群(治療を行う人たち)と対照群(治療をせず観察のみの人たち)の2つに分けて比較調査する研究を指します。

 

例えば、同じ菌に感染した人たちをランダムに2つのグループに振り分けて、一方には薬を飲んでもらい、もう一方には飲まさずに比較した効果、飲んだ人たちの菌が減っていれば薬の効果があるというデータが得られます。

 

ちなみに、この方法で得られる研究結果をたくさん集めて、さらに再分析したものをメタアナリシスといい、現在最も質の高い研究とも言われています。

 

こんな感じで研究方法にもたくさんの種類があり、得られる結果についても信頼度が異なります。

 

新しい情報を知った時は、その情報を鵜呑みにするのではなく、本当に信頼できる情報なのかな?と一歩引いた目線で捉えることも大切ではないでしょうか。

 

特に専門家やどこどこ大学病院の教授など、偉い人たちが出てきた時はその発言内容に要注目です!

 

以上、エビデンスについてでした!

 

わかりにくいことや聞きたいことなどがあれば、お気軽にコメントやお問い合わせにどうぞ!今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!